工程③ 検品テスト

SMT工程とDIP工程を経て完成したマザーボードは、すべて正常に動作するかのチェックがなされます。

マザーボードは、CPU,メモリー,ハードディスク,インターフェースなど、さまざまな機器が接続されて 本来の役割を果たします。

そこで、こうした機器とマザーボードを一時的に繋ぎ、電源を入れて 正常に動作するかを確認しているのです。

ただ、マザーボードには 多くのソケットやスロットが搭載されていて、1つ1つ手作業で機器と繋いでいては時間がかかってしまいます。

そうしたことから、1つ1つ手作業で機器に接続して すべての端子をテストする(Manual Test)という検査方法は、新しい形式のマザーボードなどを試作する際にしか行っておりません。

製造が軌道に乗って大量生産が行われているマザーボードでは、Function Boxという装置を作成して 効率よくテストを行っています。

Function Boxは、マザーボードに接続する機器が1つの筐体にまとめられたもので、多くの機器を容易に装着できるようになっています。

工程②-3 不備がないかの確認

DIP工程を終えた基板は、SMT工程と同じように検査を行います。

最初の確認作業は、ハンダで部品がしっかり接着されているかです。

担当する作業員がハンダごてを片手に持ちながら確認を行い、不十分な場合には その場で付け直します。

次に、搭載部品の確認を行います。

取り付ける部品の箇所にだけ穴が開いたシートを基板に重ね合わせることで、部品の抜け落ちはないかや部品の向きは正しいかをチェックします。

ただ、一度にすべての部品を確認するとミスも増えるので、2~3枚のシートに分けてチェックしていくようになっています。

部品が抜け落ちていたり向きが違っている基板が見つかると、不具合の箇所に小さなシールを貼り付け、ラインから外します。

そして、別の作業員が不具合を確認して ハンダごてを使って1つずつ付け直し、再びラインに戻します。

この作業は 最終確認ともいえる作業なので、全行程に習熟した一番のベテラン作業員が担当しています。

手作業による検査を終えた基板は、スロットにテスターを差し込んで 正しく電流が流れているかをチェックします。

1人の作業員が確認する箇所や事項は分かれていて、流れ作業で次々に確認が行われています。