工程①-1 筐体チェックとシリアルナンバー貼り

パソコンの組み立ては、流れ作業で進められていきます。

この時 キズがつかにように、筐体と部品は 緩衝材でできたシートに乗せられてラインを流れます。

といっても、日本HPの昭島工場の1つのラインは たった6mほどの長さしかありません。

そして、熟練した作業員が手際よく担当の作業を行い 次々にパソコンが組み立てられます。その数、1日で数千台です。

組み立て工程は まず、筐体(ケース)の表面にキズがないかを確認するところから始めます。

そして 問題がなければ、シリアルナンバーが記載されたシールを貼ります。

次に、マザーボードなどの部品を組み込めるように 筐体を開けた状態でシートに乗せます。

筐体と部品がセットになるよう、隣のシートに 組み込む部品も乗せます。

ハードディスクや光ディスクドライブなどの部品にも、シリアルナンバーが記載されたシールを貼ります。

なお シリアルナンバーは、ユーザーが利用するだけでなく 工場での製品管理にも用いられています。

日本HPのパソコン生産の流れ

日本HPのパソコンは 受注生産が基本で、注文を受けてから生産を行います。

注文は、インターネットで受け付けています。

そして、わずか5日間という短期間で納品を行います。

流れとしては まず、効率的に作業するための生産計画を立てます。

この工場では24種類もの製品を生産しており、かつ 注文内容によっては CPU,メモリー,ハードディスクなどのカスタマイズも必要になるからです。

そのうえで 必要な部品の在庫確認を行い、初日の作業は終了です。

2日目と3日目は、部品を揃えパソコンを手作業で組み立て→検査を行い→梱包します。

といっても、通常は 2日間もかかりません。デスクトップパソコンであれば3~4時間,ノートパソコンでも6時間程度です。

ただ、法人向けのカスタム設定などを行う場合には さらに時間がかかりますし、生産計画が込み合うこともしばしばあります。そうしたことから、余裕を持って2日間設定されています。

梱包されたパソコンは 出荷待機スペースに一時保管され、4日目の朝に出荷されます。

こうして5日目には、顧客の手元に届けられます。