量子コンピューターとは?わかりやすく!

量子コンピュータは「量子もつれ」や「量子の重ね合わせ」といった量子力学現象を利用して
今まで異常にない速度や規模の計算を可能にしたコンピュータです。

と言っても、そもそも量子って何?という話しですよね。
量子はナノサイズ(1メールとの10億分の1)よりも小さい物質です。
電子、中性子、陽子、光子、ニュートリノ、クォーク、ミュオンなどをひっくるめて「量子」です。
二重スリット実験という有名なものがありますが、この実験によると
量子は粒でもあり波でもあるという特性を持っています。
私達が生きる世界ではニュートン力学や電磁気学といった物理法則が適用されますが
量子の世界ではこの法則が適用されません。

通常のコンピュータはスイッチのON/OFFで表現されます。
これが「0と1からなる2進数の世界」と呼ばれる所以です。
トランジスタに電気が通るとONになり、通らないとOFFになる。
これをつなげることでNOTやANDなどの基本論理演算を行っています。

量子コンピュータでは量子ピットという特殊なピットを使って計算が行われます。
今までは「00」、「01」、「10」、「11」という表現だったものが量子ピットを2ビット使うことで
同時に表示できるようになり計算速度が劇的に上がるという寸法です。

量子コンピュータを初めて構想したのは有名な物理学者リチャード・ファインマンで
40年近く前の1985年、イギリスの物理学者ドイッチュによって基礎理論がまとめられています。
およそ40年近く前といえば一般人はパソコンという存在すらほとんど知らなかったでしょう。
ワープロ専用機は普及していましたが、当時は8ビットパソコンから16ビットパソコンへの移行期で
Windowsの登場前の話しです。

量子コンピュータの実現には世界中の企業や研究者が取り組んでいます。
研究はかなり進んでおり、かつてはSFの世界の話だったものが実現可能なところまで来ています。